「やめてよ、室井くん」
あたしは一歩一歩足を進めて二人に近づいていく。
そして、二人の前に来たときにふぅちゃんの顔を見るとやっぱり朝にはなかった彼の綺麗な顔には似合わない傷があった。
「ふぅちゃん…その傷何があったの?」
恐る恐る尋ねるとふぅちゃんはふいっ、とあたしから視線を外して「なんでもない」とだけ答えた。
なんで…なんで言わないの?
「何カッコつけてんの?
俺に殴られたって言えばいいだろ」
フッ、と鼻で笑いながら言ったのは室井くん。
ふぅちゃんをバカにしたような瞳でみて嘲笑する。
室井くんに殴られた……?
「そうなの?」
「……」
どんなにふぅちゃんに尋ねてみても彼は口を開こうとしなかった。
そのかわり、ここに来た経路を室井くんが話し始めた。