「はぁ?」



「…アイツの傷に比べたらお前の傷なんてかすり傷にもなんねぇよ」




あたしは二人が気になってチラッと公園の中を覗くとふぅちゃんの頬に朝まではなかった傷のようなものが見えた。



ふぅちゃん…その傷…どうしたの?




「お前さ、まじで腹立つんだけど」



室井くんはかなりご立腹のようで腕を組んでさっきから地団駄を踏んでいる。




「いつまでも腹立てとけよ。

信じてた人に裏切られる気持ちがお前みたいなクズ男に分かってたまるかよ」




信じてた人に裏切られる気持ち……



ふぅちゃんには分かるの?



だから、あのときあたしに優しくしてくれたの?




その言葉を聞けば、ふぅちゃんにも昔何かがあったのだということは明確だった。




「てめぇ、さっきから言わせておけば…!」




その言葉で堪忍袋の緒が切れた室井くんがふぅちゃんに向かって殴りかかろうとしたから




あたしは反射的にその場から立ち上がって「やめて…っ!」と二人に向かって叫んでいた。





二人ともあたしがここにいたことは気づいてなかったみたいで二人の視線が突き刺さる。



「…なんでお前」



「水沢…?」