「ごめん。いきなり…返事はまた今度でいいよ」
「え、でも…」
それじゃあ、曖昧になってしまう。
中途半端なんて一番嫌いだ。
だけど、ケンケンの口から出た言葉にあたしは何も言えなくなった。
「正直、俺がまだ聞きたくないんだ。だから、考えてみてよ」
そんなことを言われたら、黙るしか選択肢はない。
「これは頭の片隅にでも入れといてくれたらいいから。ほら、はやくカフェ行こ」
手を引かれて、前に進んでいくあたしの体。
でも、心の中は色んなことでいっぱいだった。
あたしはケンケンの気持ちに応えられるのかな?
このことをふぅちゃんに言える?
あたしの好きな人は誰なんだろう。
とか、色んなことを考えていた。
そんなあたしの様子に気づいてるのか気づいてないのかは分からないけど、
その後もケンケンは普段のように気まずくならないように接してくれた。