笑顔でそう言っていたケンケンの頭の上には音符マークが浮いてあるかのようにルンルン気分で歩いている。




「マコマコがやっとOKしてくれたから嬉しくてさ〜」




「ご、ごめんね。予定いっぱいでさ」




ほんとは今日だって断りたかった。


男の子と二人きりで遊びに行くだなんて初めてでなんか緊張するし、警戒心とかあったから。


だけど、ケンケンは友達だし…と思ってきたのにいきなり手繋ぐし。




「ううん。俺こそごめん…一人で焦って」




あ、焦って…?


何を焦る必要があるんだろう?


今あたしの隣で話しているケンケンの表情は妙に真剣でなんでそんな顔しているのか不思議に思った。




「焦るって何を焦ってるの?テストがヤバかったから?」




ケンケンはかなり頭が弱いから欠点ギリギリだったらしい。



まあ、スポーツが万能だからいいんだろうけどさ。





「え?違う違う…!もっと重要なこと!」





重要なことか。


まあ、あたしには関係ないことだろうな。