「お前がいちいちうるさいからだろ」




不機嫌そうに眉間にシワを寄せて吐き捨てたふぅちゃん。




「はぁ?あたしはいたって普通だけど!?」



ほら…あたしはふぅちゃんに今はドキドキしてない。


だから、好きなんかじゃないよ。



友達として好きってことなんだよ。



あたしもふぅちゃんも。




「ほらほら、そういうところ。もう話は聞いてやったんだからちょっと黙ってろ」




なっ……!!



き、聞いてやっただと!?




偉そうにしやがって…!!



でも、ふぅちゃんの言うことはあながち間違ってないから言い返せない。



だって、ふぅちゃんは「聞いてやる」なんて一切言わなくてあたしが一人で話してたのを聞いてくれていた。



だから、今日だけは大人しくふぅちゃんの言う通りに黙っておこう。




それにしても、ふぅちゃんの腹筋…結構割れててカッコよかった。



プールから帰っているときに果歩から聞いた話だと



あたしが急にいなくなった、とみんな知って探そうとしたらしいんだけど、


ふぅちゃんが『俺が探し出してくるから、お前らはここでさっきみたいに遊んでろ』って血相かえて走り出したらしくて…


そういった時のふぅちゃんの顔が尋常じゃないぐらい怖くて、みんな大人しく従っていたんだとか。



その話をしながら果歩が


『ほら、真心ってみんなに心配とか掛けるの嫌いだからそういうとこ配慮してくれたんじゃない?』


なんて、ニヤニヤしながら言ってたけど…ほんとのところはどうなんだろうなー…。




でも、その話を聞いてキュン!としたのは絶対にみんなには秘密。