だから、どんなに果歩に言われたって今回ばかりは自分で進まなきゃいけない。
そう分かっているのになかなか踏み出せない。
あたしはずっと立ち止まったままなのかもしれない…でも、最近少しずつだけど歩き出せてるような、そんな気がするの。
「へえ…」
やっと、言葉を発したと思えばたった二文字。
ほんとにクールだなぁ…でも、そんなふぅちゃんに助けてもらったんだよね。
あのときのふぅちゃんは本当にカッコよくて…お互い、心臓が猛スピードで動いてた。
ふぅちゃんもあたしにちょっとぐらいドキドキしてくれた…?
…あたしってば、なんかふぅちゃんにハマっていってる気がするんだけど早く抜け出さなきゃ。
「聞きたくもない話してごめん」
「ほんとにそうだ。お前の聞きたくもない昔話のせいで全然読み進めらんなかった」
不服そうな顔をしながら、やっとページをめくり始めた彼。