みんなのところに戻るとみんなは楽しそうにプールの中で鬼ごっこをしていた。


いや、高校生で鬼ごっこって…と思ったけど楽しいことには変わりないからあたしも参加することにした。



みんなには目にゴミが入って洗いに行ってたら迷子になったという嘘をついてしまった。



もう嘘なんか付きたくないのに…。



そんなことを思いながら、ぼーっと鬼ごっこをしているとふぅちゃんの姿が見えて何となく声をかけた。




「ふぅちゃん、どうもさっきはありがとう」




そういえば、まだお礼言ってなかったなぁ…。




「別に。……もっと俺を頼っていいから」



「え?」



彼の口から出た言葉にあたしは自分の耳を疑った。


俺を頼っていい…?



それ、本当にふぅちゃんが言ってるの?




「え、あっ、うん。そうするね。

あ、あたしのことも頼っていいからね!」




いつもふぅちゃんに助けられてばっかりだから


あたしも何かふぅちゃんの力になれたらいいな、なんて前までのあたしなら絶対に思わなかったことを今では普通に思う。




「ん。じゃあさっそく鬼よろしく…俺めんどくさいから」



「え!?ちょ…!!」



あたしの肩を一度だけ軽く叩くとそそくさと人の中に消えていった。


は、ハメられた…?


くっそー!絶対やり返してやる!!!



それから、あたしはふぅちゃんのおかげで元気を取り戻して


楽しいプールのひとときを過ごした。