「……寝ぼけてんの?」



……は?

彼の口から出てきた言葉は衝撃的なものだった。

寝ぼけてこんなところにくるわけないでしょーが!!



「そっちこそなんの悪ふざけですか?」



女子の部屋に入り込んでくるなんて。

しかも、部屋の主のあたしが入ってくる前に。
ほんとは女の子が大好きなんじゃない?



「ここ、俺の部屋なんだけど」



彼のその言葉にあたしは自分の耳を疑った。

なんて……?自分の部屋だと?

何が言いたいんだかさっぱりわからないよ。



「こんなときに冗談やめてよ」


「そっちこそ」


いや、あたしは事実を述べたまでなんですけど。

彼の目つきはますます、恐ろしいほどに鋭くなっていく。

ちょっと……その目怖いからやめてくれないかな。
見ているだけで殺されてしまうんじゃないかっていうぐらいの視線だ。