「話、逸らすなよ…バカ」




彼の黒目がちで切れ目な瞳があたしのことをしっかりと捉えて離してくれない。




「ふぅちゃん…?!」



「なぁ、しおり…見た?」





うるさい鼓動がふぅちゃんに聞こえてしまわないか心配しながらも、コクコクッと上下に頭を振った。



ふぅちゃんの大切な…しおり。




「やっぱり…。はぁー…なんで見んだよ」



少し困ったような表情をしているふぅちゃん。




「ダメ…だったよね?」




恐る恐る尋ねると「うん。ダメだった」と答えてその整った顔をあたしへと近づけてくる。


このままじゃ…き、キスされる…!!




「ちょ、女嫌いなんじゃ…っ!?」




「そのはずなんだけど、
俺も自分で不思議なぐらいお前に夢中」




へっ…!?



あ、あたしに夢中…!?




「い、意味わかんない…!!どいてよ!!」




「やだ…って言ったら?」




「無理矢理でもどかす!!」




こんな状況、いつまでも続けてたらあたしがそのうち気絶してしまう。