重い荷物を持ち上げて、リビングへと向かう。
でも、リビングに着いてあたしは自分の頬をおもいきり引っ張った。
だって、そこにはありえない光景が視界に入っていたから。
夢じゃないかって……。
あたしは授業が暇すぎて寝てるんじゃないのかなって。
でも、どうやらこれは現実なようで頬を引っ張ってみても激痛がはしるだけ。
「……なんでいるの?」
先に声をあげたのは彼だった。
そう、あたしの目の前にいるのは今朝果歩と噂をしていた有村くん。
な、なんでって……ここあたしの部屋なんだけど。
それ聞きたいのあたしの方だし。
「ここあたしのへ……や……です……」
あまりにも鋭く睨んでくるもんだから、怖くなって語尾の声が小さくなるし、敬語なんか使ってしまった。
なにもそんなに睨まなくても良くない?
まるで、不審者をみるかのような目つき。