健斗は手を下ろせば、打って変わってゾッとするような真顔に戻り、私に背を向けて歩き出した。 私はなぜだか手と足の震えが止まらなくて、なんとか階段を降りると、しゃがみこんだ。 「Kって一体何なの?」 深雪は何か知ってる? 健斗って、あんな人だった? 掴まれていた手首を見れば、真っ赤になっていて、爪が食い込んだ跡があった。