「吉岡って覚えてる?吉岡七生子(ヨシオカ ナオコ)」
「あ~、うん。あっちの左側にいたグループの子でしょ?」
確か、彼氏は暴走族かヤクザっていう噂で背中にはタトゥーがびっしりって誰かが言っていた。
「死んだんだよ」
「え?」
初め、深雪の言っていることが理解出来なかったし、深雪の口から出た言葉は、この場にそぐわないほど重いものだった。
「誰かに殺されたんだって。遺体からは薬物が検出されたらしいの。だから、何か事件に違いないって」
「そんな……殺すって誰が……」
「さあね。でも殺しはちょっとあれだけど、薬物は珍しい話じゃないしね~」
深雪はそう言って、グラスにまだ残っていたアルコールを一気に飲み干した。

