ネオンの煌めく町を見下ろしていると、後ろで音が聞こえ、振り返ると、あの男が立っていた。
最悪だ。よりによって、こいつか。
男はゆっくりと私に近づいてきた。
「え、あー、どうしたの?」
私の隣に立つと、背の高さが初めて分かった。
暗い中じゃ、正確には分からなかったけど、すごく高い。
「お前、ここで何してる?」
「私?私は別に。特に用とか無いけどーーーー」
「俺もそんなところだ。騒がしいのは好きじゃないし」
「そう。同じだね」
燐が少し目を細めた。
私の胸がドキドキするのはきっと気のせいだ。
「お前、何歳?」
「今年で19。まだ18」

