「じゃあさ」



棚ごしに修斗と目があった。





「俺と出掛けよう」



「修斗と?」



棚ごしの修斗の目は私を見ていた。


なぜか私も目をそらせなかった。





「あー、えっと、どこに行くの?」



とっさに出た言葉はそれだった。




「ルウコを連れていきたいところがあるんだ」



「私は、その、彼氏いるし、それにーー」



「彼氏いたら、バイト仲間と遊んじゃだめなの?」



修斗は少し笑って、私に言った。私なんかより何倍も余裕がある。






「遊んじゃだめってことはないけど、でもーー」




「じゃあ決まり」




修斗の大きな目が意地悪そうに笑った。