私はもうお風呂に入って、髪の毛を乾かしている途中だった。 「あ、あの、おかえり」 鏡ごしに燐に声をかけると、「ただいま」といつもの返事が返ってきた。 急いでドライヤーを止めて、燐が歩くあとを追いかける。 「燐、ちょっと今時間ある?」 「悪い。先、風呂入りてぇんだけど」 「お願い。少しでいいから!」 燐の腕を引っ張って、ベッドの上に向かい合わせで座った。