朝起きると、もう燐は起きていて
トーストを焼いてくれていた。
「おはよう」
鎖骨が見える服を着ている燐はかなりセクシー。朝から刺激が強い……
「あのね、燐。私、自分の部屋に戻るね。ずっとお世話になってるのも、全部お金負担してもらってるのも悪いし」
光熱費から食費まで、一切私は払ってない。
とりあえず一度家に帰らなくちゃ。
このまま転がり込むのは、良くないもの。
用意されたトーストにかぶりつくと、マーガリンの味がした。
「なんかこのまま燐の部屋に住み着くってのもさ」
燐から何の応答もないのを、不審に思い
顔をあげると、その場に燐にいなかった。
「燐?」
「ごめん、ちょっと仕事のことで外出るわ。今日もバイト?」
燐は玄関のほうへ向かい、靴を履いていた。
「え、ちょっと!燐、話の途中だって!」
「今日バイト?」
「そうだけど……そういうことじゃなくて、私が話してたのは…」
「お前、バイト辞めろ。俺が話してきてやるから。な?これからはずっと家にいろ」
燐はそれだけ言うと、何でもなかったように笑って、私の頭に手を置いた。
すごく満足そうに、私のフレンチトーストを食べたときみたいに。
玄関を閉めて、燐が出ていくと
さっきが嘘みたいに静寂が訪れる。

