「赤と青と緑」







「なにそれ?なんかの合言葉?」



隣に座った、宮田深雪(ミヤタ ミユキ)は金のブレスレットを何個もつけた腕で私の肩に回した。




「別に」


私の放った言葉は大音量のダンスミュージックにかきけされた。

カウンターで腰かけているのはいつもの定位置。





「ていうか、ルウ!今日めっちゃイケメン来るんだって」



「イケメン?」



「そ!イ、ケ、メ、ン!あんたそういうの疎いもんね~!でもね、そんな鈍ちんのあんたが見ても絶対惚れるよ」



別に鈍くないもん。ただあんまり興味が無いだけで。


軽くため息をついたのも、陽気な音楽で無かったものとされる。
ここは楽だ。何も考えなくていいし。