「頼みって何?」


油良が少し優しい声色で問いかけてくる。

俺は一瞬目を泳がせてから、油良の目を見て口を開いた。



「……勉強、教えてくんねぇかな?」



俺の言葉に、油良だけじゃなく周りにいたやつら全員が固まって動かなくなった。




……あぁ、そうだよな。

俺が自分から勉強しようなんて、明日雪が降るんじゃないかって思われても仕方ないことだと思うけどさ。


でも、これでも必死なんだから、笑わないでほしかった。