体を起こすと、誰かが手を差し出してくれた。 その手をとって顔を見ると、春代ちゃんの彼氏、悠祐先輩だった。 なんでここに!? 「あれ?稲穂ちゃん?」 先輩も気付いたみたい。 お礼を言って立ち上がると、この辺に住んでるの?と先輩が微笑んだ。 「そうですよー。先輩も?」 「そうそう、駅から徒歩五分かかんないよ」 近いー!いいなぁ! 寝坊しても大丈夫だ! 先輩は今日春代ちゃんと初デートなんだって! 楽しい一日になったらいいな!