「頭いてぇ……」
「文句いってる暇ねぇだろ!おら!ペン持てペン!!」
「朝霧スパルタ~」
最近では、朝霧といるのは当たり前になっていた。
俺たち3人は志望校が同じだから、毎日潤平の家に集まって勉強に明け暮れていた。
それと、最近できた潤平の彼女も一緒に。
その子は俺らが行く高校よりワンランク上の高校に行きたいらしく、かなり頭がいい。
朝霧とも仲が良くて、潤平と俺は、二人がかりで勉強を教えてもらってる状態だ。
「潤平くん、頑張ろう?ね?」
「可鈴ちゃぁん!頑張るよぉ、ありがとねぇ」
甘えてデレデレの猫撫で声で彼女、雪村可鈴(ゆきむら かりん)に抱き着く潤平。
はっきり言って……キモい。
「ほら水神!お前も頑張れ!」
「ん~……」
渡されたシャーペンを渋々受け取って、机にくっ付けていた顔をあげる。
上目遣いに朝霧を見て、唇を尖らせた。
こいつも雪村くらい女らしかったらなぁ……。
その昔、告白してきた時のしおらしい朝霧を思い出す。
普段こんな感じだから、あれは正直グッときた。


