ちょっと、びっくりした。
意外だった。俺が好きなんて。
朝霧はもっと頭よくて、喧嘩強くて、ガタイのいい男が好きなんだと思ってた。
勝手なイメージだけど。
「………あー、」
なんて言っていいか迷った。
普段なら、見た目が好みじゃなかったら即行断ってた。
でも……見た目は、そんなに悪くない。
顔は可愛いし、胸はないけど細いし。
「………考えさせて、ほしいんだけど」
気が付いたら、そんなことを言っていた。
いつもはその場で即返事をするのに。
なんでか、こいつには適当な返事をしたらダメな気がしたから。
朝霧はぱあっ!と明るい笑顔で嬉しそうに頷いた。
――――
――――――…
考える、と言ってから、なかなか答えを出せないまま、気が付けば約半年の月日が流れ……、
今俺達には、高校受験が間近に迫っていた。


