期末テスト1週間前の放課後。
俺はいつものように潤平と帰ろうとしていた。
でも教室を出ようとした瞬間、目の前に朝霧が立ちはだかってきた。
「待て!」
「朝霧ちゃん、どしたの?」
迷惑だとあからさまに顔に出す俺に対し、ニコッと笑って首を傾げる潤平。
でも朝霧は、俺の顔をまっすぐ見て口を開いた。
「今から図書室で勉強するぞ!渡辺!お前も来い!」
「あぁ!?」
「え~!なんで俺まで!?」
何言ってんだよこいつ!
勝手な提案を持ち出す朝霧を、思い切り睨む。
そんな目には全く怯んだ様子もなく、俺と潤平の手を引く朝霧。
勘弁してくれよ……。


