でも俺は、他人に興味がなかった。
告白されて、顔が可愛いとか、体がエロいとか、そういう表面的な特徴で女と付き合うことはあった。
でもそういう子は、すぐに飽きる。
代わりがいくらでもいるからだ。
別にその子じゃないとダメ、って思える要素を持ってる子がいなくて。
付き合っても長続きしなかった。
「お前ってホントモテるよな」
「……あぁ、まあ……」
昼休み、親友の潤平(じゅんぺい)がパックのいちごミルクを飲みながら言ってきた。
潤平は、小学3年の夏に俺が通ってた学校に転校してきて、何だかんだずっと仲がいい。
俺が唯一心を開けるやつだ。
「俺だって顔は悪くないと思うんだけどなぁ。なんかモテねぇんだよなぁ」
潤平は自分の頬を撫でながら、うーむ、と唸っている。
俺は購買のパンをかじりながら適当に相槌をうつ。


