「……うるさくして悪いな」
苦笑いを浮かべてそう言う蒼太に、私は首を振る。
「そうじゃないよ。由紀ちゃんと隼人くんの話したでしょ?二人を苦しめた鎖が、蒼太にも絡み付いてるの」
蒼太の顔から笑顔が消えて、顔を逸らされた。
その横顔は辛そうに歪んでいる。
そんな顔、蒼太にしてほしくないよ。
「……私、蒼太を助けたいの。解放してあげたいの」
そう言うと、蒼太は自嘲的な笑顔を浮かべた。
「そうだったな……神様にはなんでもお見通しなんだったな」
蒼太は何も持たずに冷蔵庫を閉めた。
その場に座って、大きなため息をついた。
「そうだよ……俺は、お前と同じだ」
私と、同じ……?
意味がよくわからなくて首を傾げる。
「俺は昔、人を殺したことがある」


