恋の神様におまかせ♪




ぽた、ぽた。


涙が頬を伝って、お椀のようにした手に小さな水溜まりができた。

その水溜まりに浸かっている糸は、みるみるうちにほつれが直っていって、やがて一本の糸になった。


ちょうどその時彩夏ちゃんが部屋から立ち去っていって、隼人くんが目を覚ました。


すると糸が、一気に綺麗な赤色に染まった。


少し驚いたけど、上手くいったみたいでホッとした。


隙間から二人の様子を覗いていたら、自然と頬が緩んだ。



――――よかったね。



そう呟いて、私は病院を後にした。