俺の部屋にはいると、ベットに腰かけて彩夏が口を開いた。
彩夏が父さんから聞いた話によると、こうだ。
俺が家を出て暫くしたときに、母さんが父さんが浮気してることに気付いて、大喧嘩になったらしい。
俺がいなかったから止める人がいなくて、喧嘩の収集がつかなくなり、父さんは浮気相手の家に2、3日泊まって家に帰ってきては喧嘩して、
また2、3日帰ってこない、という状況が一ヶ月以上続いたらしい。
そんなある日に、今までの喧嘩のなかでも一番酷い喧嘩をして、ぶちギレてしまった父さんは、次の日に離婚届を机に叩きつけて家を出た。
それから10日経ってから、なんとなく気になって家に戻ってくると、
母さんは天井からロープを垂らして、首を吊ろうとしていたらしい。
一人にしたら自殺する、そう思った父さんが、夏休みに自分が仕事に行ってる間、母さんのことを見ててほしいと、彩夏にお願いしたそうだ。


