先輩のカッコよさについて頭のなかで熱く演説していると、先輩が本を決めてしまったらしく立ち去ろうとしてる。
ど、どうしよう!
やっぱり話しかけようかな?
本棚の陰でひとりあわあわしていると、不意に頭のなかで声がした。
話しかけなきゃダメだよ!
その声に背中を押され、私はレジへ向かう先輩のもとへ駆け寄った。
「あっ!あ、あ、あのっ!」
「え?」
大声に驚いたように振り返る先輩。
思いの外大きかった自分の声に赤面しながらも、何か話さなきゃ!と頭をフル回転する。
「島崎じゃん、おつかれ」
そう言って微笑む先輩。
やばい、鼻血出そう。
私は更に顔を熱くしながら、なんとか声を絞り出す。


