病室は個室で、カーテンはかかっていなかった。 隼人が眠っているベットの側で、丸いすに座る女の後ろ姿が目に入る。 多分、あの日の女だ。 女がゆっくりと振り向いた。 「……あ、由紀、ちゃん?だっけ……」 「あ、あなたは?」 少し噛みながらそう聞くと、その女は薄く微笑んだ。 「私は、隼人のいとこの彩夏よ」 ………え? い、いとこ………!?