恋の神様におまかせ♪




テーブルを壁にたてて、来客用の敷き布団を敷くと、その上に座ってテレビをじっと見つめる稲穂。

俺はベットに座って壁に凭れながらテレビを見て、時折稲穂に目を向ける。


かかってるのはバラエティーだけど、やっぱりピクリとも笑わないで無表情だ。


「……好きな番組かけていいよ」


「………」


なにも言わずに番組表を表示して、チャンネルを押してニュースに替える。


ニュースかよ……。


他にも面白そうなのあるだろ、と思いつつも何も言わずあんまり興味がない政治や事件のニュースをぼんやり見つめていた。











12時を回ったので、やることもないからそろそろ寝ようと言うと、稲穂はチラッと俺を見てからテレビを消した。

布団に潜って、目を瞑ってる。


俺は小さくため息をついて、電気を消した。

携帯でアラームをセットしていると、不意に小さい消え入りそうな声がした。


「……おやすみなさい」


それだけ言うと、寝返りをうったような音がしたので、そっぽ向かれたのかな、とか思いながら思わず笑う。


「おやすみ」


そう言って、携帯を枕元に置いて目を閉じた。