「……罰って……」


男の人が小さく呟く。

そしてハッとしたように私の包帯が巻いてある方の手を掴む。


「お前っ、これ……っ!」


血のせいで半分真っ赤になった包帯を見て、何か勘違いしたらしいその人は、無理矢理私をおんぶして、足早に歩き出した。


「あ、あの……っ」


「うっさい。黙ってろ」


「う……」


お兄さん、濡れちゃうよ。


咄嗟に持たされた傘でお兄さんの頭を濡れないように翳すけど、私のせいで体が濡れる。


降りようと体を捩ったら、動くなって怒られた。


私はどうしていいか分からなくて、お兄さんの首に腕を回した。