花ちゃんが勇気を振り絞って声をかける。

先輩が振り返って、少し微笑んでいる。

遠くて何を話してるのかわからない。

でもあんまり近くで見てると変質者みたいに思われるしなぁ……。

それは困るので、仕方ないからその場で観察を続ける。


すると、先輩の頬が少し赤くなって、嬉しそうに笑ってる。

先輩の胸元から薄い赤色の糸が出て、花ちゃんの腕に絡み付く。




薄い赤色は、興味を持っている証。

どんな会話をしたのかわからないけど、これなら私が力を使わなくても自分たちの力でゴールインできるよね。

私は二人に背を向けて、本屋さんを後にした。



今日も無事に仕事を終えられてよかった!