「……何?」


声をかけると、島崎は意を決したのか、バッと顔をあげて口を開いた。


「わ、私は!怒ってます!」


「……あぁ、うん」


知ってるけど。


本屋で話しかけてきた時みたいに声を張り上げて、顔を真っ赤にしている島崎。

なんだか、あの頃が懐かしく感じるな……。


必死な顔が可愛くて、忘れられなくて、いつの間にか目でおってた。

またあの顔が見たいなって思って、岳坂さん以外の会話のネタを探してみたりとか、らしくないこともした。


一緒にいるうちに曖昧になってたけど、離れてみてはっきり分かった。




俺は、自分が思っていた以上に、島崎が好きなんだ。