階段を降りると、すぐ畳の広い部屋に座って勝手にひろとが朝ごはんを食べている。

「ちな、いつも準備はえーな。女ってもっと準備に時間かかるんじゃねぇーのか?」

「早くしろって言ったの、ひろとでしょ?」

「また、囚人みたいなワンピースか」

お箸をくわえたままひろとかが言う。

「しゅ、囚人!?ボーダーです!!失礼な!」

私は、口を膨らませながら顔を洗いに行く。

「ひろくん美味しい?どんどん食べてね!」

「はい!超うまい!特に、この肉じゃがすごい美味い!」

顔を洗って帰ってくると、お母さんとひろとかが話していた。

「どんどん食べてね!ちなってば手をかけてもなんにも言わないから、作りがいがないのよねー。男の子ってほんといいいわー。」

「ちなは、鈍感っすからね。仕方ないっすよ!」

私の親と、ひろとの親は昔から仲がいい。田舎だから近所皆家族的な雰囲気があるけど、特にうちらの家は仲が良かった。

私の両親は、女の私しか子どもがいないから、男の子が新鮮みたいで昔から我が子のようにひろとをかわいがっている。

ひろとの親も、ひろとと、ひろとの上にお兄ちゃんがいる男兄弟だから女の私を本当の娘のようにかわいがってくれるし良くしてくれる。

だから、お互いによく家に行き来する。

私は、ひろとの横に座って準備された朝ごはんに手を伸ばす。

「もーらい!」

「ちょ!なにすんの?」

横から、ひろとが手を出してきて勝手に肉じゃがの肉を取られてしまう。

「ちなは、どうせ味なんかわからんのやろ?」

「肉の味だけは、わかるんです!私の肉かえーせー!」


いつも、こんな感じだ。


「そろそろ、行くぞー!」

先に食べ終わった、ひろとが立ち上がる。

「ちょ!まって!」

私は、残りのごはんをかきこむ。

「女らしくないなぁー。」

「うるさいなぁー。」

言い合いながら、玄関まで行く

「おばさーん。ご飯ありがとー!ごちそうさまでしたー」

「お母さん行ってきまーす」

ひろとと私は、家の中に叫んで家を出た。