「あ、優馬くんだ」

 何気なく見やった窓の外にその姿を見つけたのか、それまでの百面相をやめてふっ、と有紗が笑った。

 なんで女の子は恋するとこんなにもキラキラするんだろう。
 
 あたしにもこんな顔が出来るんだろうか。もしも彼に……恋、したら。

 恋。

 ふわっと笑った彼の顔を思い出して、顔が急に熱くなる。

 不意に彼に、会いたくなった。