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「つまり――昨日の放課後、部活時間にあゆちゃんは山田くんに告白された、と。これは事実ですか?」

「はい」

 ただ今昼休み。尋問中です。
 有紗はどこから持ってきたのか分からない伊達メガネをかけて、それをクイクイやりながらお昼ご飯を食べている。

 ……伊達メガネのオプション必要か?


「なんと言われたのですか?」

「あー……」

 来たよ。想定質問一つ目。
 
『そこはホントのこといえばいいじゃん』

 昨日の山田の声がよみがえる。

「なんだっけ。あたしの小説が――とか何とか」

 あかん。
 言えない。

 自分の口から、「好きだ」って言われたなんて。

 ぶわっと顔が赤くなるのを自覚した。と同時に、有紗がニヤリ、と意地の悪い笑みを浮かべた。

「ねえ、なんて言われたの? あ、ゆ、み、ちゃん。そんなカワイイ顔しちゃって」

「――っ!」

 かわいくないかわいくない。
 照れてなんかない恥ずかしくない。

 あれはあたしにじゃなくて、小説に対して……