☆ ☆ ☆
「つまり――昨日の放課後、部活時間にあゆちゃんは山田くんに告白された、と。これは事実ですか?」
「はい」
ただ今昼休み。尋問中です。
有紗はどこから持ってきたのか分からない伊達メガネをかけて、それをクイクイやりながらお昼ご飯を食べている。
……伊達メガネのオプション必要か?
「なんと言われたのですか?」
「あー……」
来たよ。想定質問一つ目。
『そこはホントのこといえばいいじゃん』
昨日の山田の声がよみがえる。
「なんだっけ。あたしの小説が――とか何とか」
あかん。
言えない。
自分の口から、「好きだ」って言われたなんて。
ぶわっと顔が赤くなるのを自覚した。と同時に、有紗がニヤリ、と意地の悪い笑みを浮かべた。
「ねえ、なんて言われたの? あ、ゆ、み、ちゃん。そんなカワイイ顔しちゃって」
「――っ!」
かわいくないかわいくない。
照れてなんかない恥ずかしくない。
あれはあたしにじゃなくて、小説に対して……
「つまり――昨日の放課後、部活時間にあゆちゃんは山田くんに告白された、と。これは事実ですか?」
「はい」
ただ今昼休み。尋問中です。
有紗はどこから持ってきたのか分からない伊達メガネをかけて、それをクイクイやりながらお昼ご飯を食べている。
……伊達メガネのオプション必要か?
「なんと言われたのですか?」
「あー……」
来たよ。想定質問一つ目。
『そこはホントのこといえばいいじゃん』
昨日の山田の声がよみがえる。
「なんだっけ。あたしの小説が――とか何とか」
あかん。
言えない。
自分の口から、「好きだ」って言われたなんて。
ぶわっと顔が赤くなるのを自覚した。と同時に、有紗がニヤリ、と意地の悪い笑みを浮かべた。
「ねえ、なんて言われたの? あ、ゆ、み、ちゃん。そんなカワイイ顔しちゃって」
「――っ!」
かわいくないかわいくない。
照れてなんかない恥ずかしくない。
あれはあたしにじゃなくて、小説に対して……

