「というのを建前にしてですね」

「……ん?」


 すっ、と山田の視線が外された。彼の長い指先がカメラをいじり始める。

 さっきまでの真剣モードはどこへやら、彼の口調は軽薄でおちゃらけたものになっていた。

 足を組み直して無意味にカメラを触る彼の、豹変した温度にあたしはついていけない。

「あの……山田くん? 何が何だか、あたしには――」

「優馬と結城がくっつくための、手伝いをして欲しいんだけど」


 あたしの声を遮って彼が告げたのは、更にナナメ上の意味不明ワードだった。