君のカメラ、あたしの指先

 とまあ、そんな人がリアル世界に存在したら、世の女の子が放っておくわけがない。

「きゃー! いま、瀧川くんこっち見たよ! 見たよね?!」
「はあ……今日も爽やかぁ……」
「カッコイイ……!」


 黄色い声援とため息が溢れる中で、やっぱり彼も例に漏れず鈍感人間だ。

 入学してからずっと、彼が告白された、女の子が振られた、の噂が引きも切らない。


 めんどくさいなら切り捨てればいいものを、やっぱり根が優しいからか困った人がいたら放っておけないみたい。
 それで好きになられちゃって、告白されて、断ってっていう悪のループにはまっている。