─希暉─

急に苦しみだし他と思ったら、糸が入れた操り人形のよ

うに倒れていった。

希「れんちゃん!!」

訳が分からなかった

でも、今は倒れていく恋桃を守る事しか頭になかった。

ドサっ!

希「ったー。…れんちゃん?れんちゃん!」

蒼「大丈夫。気絶してるだけだよ。」

ほっ。

希「マジで焦ったし。」

「むにゃ…ん?なんの騒ぎ〜?」

あ、こいつやっと起きた。

希「優たん!れんちゃんが急に苦しみ出して倒れたんだ…。」

ガチャッ

屋上の扉が開き、保健室に行っていた煌が帰ってきた

煌「あぁーだるかった。おい希暉、ほらよ…って。そいつどうしたんだ?」

優「気絶しちゃったんだってさー。」

煌は、恋桃の顔を覗き込みながら何か考えていた。

蒼「煌、何かわかる?」

煌「……いや、俺が考えるっていうかお前らも知ってると思うがこいつ、何か過去を持ってる。しかも、とびきりでかい過去をな。」

確かに恋桃には過去があると思う。

何故ならあった時から恋桃の、あの吸い込まれるくらい

闇に染まった黒い瞳。

中々見ない。

族に入っていても中々見ない。
稀に見る瞳だ。

蒼「この子…えっと。名前何だっけ?」

希「恋桃だよ。篠原 恋桃。」

蒼「そうそう。恋桃ちゃんは俺が『無理しないように』って言った後苦しみ出したんだ。」

優「なら〜、前誰かに言われたりしてたんじゃな〜い?」

煌「しかも過去と関わりのある人物から…。」

希暉「それなら、れんちゃんが倒れた理由の説明がつく。」

倒れて気絶するほどの過去……

きっと僕達では想像もつかないほど、辛い過去なのだろ

う。

優「この子ほっとくと確実に壊れるよ〜。」


希「あぁ。とにかくお前ら、やる事は一つだけだ。


この子を何がなんでも守るんだ。
この子が壊れないよう。
分かったな?」


他「「「 了解 "ボス" 」」」




希「よし!じゃあ、移動しよっか♪れんちゃん起きるまでここにいるの嫌だし♪」

煌「行くって言っても何処に行くんだ?」

希「うーんそうだなぁ…。」

優「倉庫行こ〜よ〜。優寝たいし むにゃむにゃ…。」

蒼「じゃあ行こうか。雷 ライ 呼ぶからね。」

希「お願いねー♪じゃあ、しゅっぱーつ!」

「「おーー。」」

─希暉 終─