春だ。春だ、春だ!ついにこの時がやってきた。桜舞う中で運命の人に出会ったり、幼馴染みと再開して恋をしたり、そんなイベントが盛りだくさんの春がやってきたのだ。あたしも王子様を見つけて青春をしたい、なんてったって高校生だもの。

 むん、と目の前にそびえ立つ校舎を睨みつける。ここが、今日からあたしが通い、青春時代を過ごす学校。白い校舎は眩しく光って、あたしの胸をよりいっそう躍らせた。あたしが校門をくぐる頃には、写真を撮っていた親子も退散し始めていて、新入生の姿は少なくなっていた。やばい、急がなきゃ。