ネコという名の犬

 「おはよー」と言うと、
母親はマスクして冷ややかな目をして見ていた。

 「…パパー!今日早く帰ってきてよぉッ!!!」
 「わかってるよ‥」
 
 「のぶ君!絶対にィ!飼うのは、今日までよ!」
 
 母親の顔はどんなホラー映画よりも恐いと、のぶおは思った。
 
 「これでいいでしょッ!」
と母親は、隣の部屋に隠れるようにドアを閉めた。

 食卓には、
 梅干しとご飯。
 「……これ‥朝食!?」
父親は、落胆の表情で言う。

 ホレ!っとのぶおは、梅干しを犬にやると
美味しそうに食べていた

 それを見た父親は、仕方ないと虚しくご飯を茶碗によそう。