列はもうなくなった。
それでも、彼の姿はみつからなかった。
私は周りを必死に探す。
もしかしたら、
彼の見落としてしまったのかもしれない。
私より先に、家族に会いに行ったのかもしれない。
きっと戻っているはずだもの。
こんなはずじゃない。
私は、再会した人たちの合間を縫(ぬ)って、
ウロウロとあるく。
「お嬢さん」
1人の老人に声をかけられた。
私は振り返る。
不思議な雰囲気をまとった、おじいさんだった。
「誰を探しているんじゃ?」
「大切な人です」
声が震える。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…