日が昇り、また走り出す。
私はその先で負傷した。
弾丸の傷だった。
倒れたが、必死で立ち上がる。
一瞬、不思議と身体が軽くなったような気がした。
服の布をちぎって、ギュッと巻きつけ、止血する。
まだ死ねない。
まだ、死ねないの。
あの人は怪我をしていないだろうか。
苦しんでいないだろうか。
私がその場にいたら、
すぐに応急処置してあげられるのに。
どうか、どうか無事でいてほしい。
私は今日も走る。
写真の笑顔を胸に、私は走る。
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