「なるほど」
「上官〜」
酔った同期がこちらにくる。
「こいつ、婚約するんです」
自分の胸を突きながら、同期が上官にいった。
「ほう、お前、嫁をもらうのか」
上官は片眉を釣り上げた。
同期は、聞き役ばかりの自分に話を振ってくれたのだろうが、話題が悪かった。
「はぁ…まぁ…」
お茶を濁す自分に、同期は畳み掛ける。
「川辺の辺りの海軍の娘さんで、こいつに似て硬く真面目でべっぴんさんの嫁です」
「ほぉ…」
「ズルいです。俺なんてもう訓練が嫁なのに…」
ヤケになる同期を宥めてから、上官は自分の方をギロリと見た。