次の日は仕事を休みたいと葉山さんから、朝陽さんに伝えて欲しいとお願いをした。


明日は気晴らしに買い物にでも行こう。


一人でブラブラするのもいいし。


誘う友達もいない。


店の手伝いをさぼって、父さんだけに出かける事を伝えた。


携帯は家に置いたまま。


朝陽さんからの着信がものすごくて、でも、出れなくて。


私はただ逃げてるだけ。


だって、どうして良いのか分からないのだ。


ウィンドショピングを楽しんでると、数人の男に囲まれる。


やだ、何、うざい。


「ずっと一人だよね。俺たちと遊ぼう」


一人の男にいきなり肩を抱かれた。


怖い。


怖くて声も出ない。


その時。


「その手を離しなさい。」


え、なんで、どうして、朝陽さんがいるの。


「この子に何かしたら、許さない!」


男たちは朝陽さんの気迫を恐れ、逃げて行く。


こんなに怒った朝陽さんを始めて見た。


「はな、どうして、逃げるの。言いたい事があるならはっきり言って。はなが心配で仕事にならない。」


朝陽さんが抱き締めようとする腕をするりと抜けて、思いきり駆け出した。


何を話して良いのか分からないし、話せば朝陽さんに酷い事を言ってしまいそうだし。


身体が自然と逃げるの事を選んでしまう。


朝陽さんが何処までも追いかけて来る。


もう、走れない。