緊張で吐きそうだ。


打ち掛けは重いし、歩き辛いし、やっぱりドレスだけにすれば良かったと後悔した。


朝陽さんのお母様が私の為に用意してくれた、打ち掛けだから、着ない訳には行かないと強く思ったけど。


朝陽さんには無理をしなくて良いと何度も言われた。


こんな事に根を上げてどうする、はな、頑張れ。


ホテルの中にある神前へと向かう。


結婚式は朝陽さんのご両親とお祖父様とお婆様、後はうちの両親だけ。


身内だけで静かな結婚の儀式をしたいと思った。


披露宴はsweetガーデン花ホテルのオープンセレモニーに来てくれた、お客様の前で行う予定。


何人のお客様がいるのかは予想もつかないけど。


少人数でも構わないと思ってる。


神前の前で三三九度を執り行い、朝陽さんと夫婦になった。


ゆっくりしてる暇はなくて、二人で控え室に向い、私はウエディングドレス、朝陽さんはタキシードに着替えると、二人でチャペルまで走る。


「はな転ぶなよ。」


「大丈夫。」


朝陽さんが出した手を掴むと二人でそのまま走り続けた。


この手を絶対離さない。


未来へと続くこの道を二人で歩いて行こう。


それにしても、息が切れた。