「………りっ。
…いりっ。…あいり!」

はっと勢いよく起き上がる。


「もーっ。ずっと寝てるんだもん。
大丈夫??アレ、??
涙出てるよ…」


夢だったんだ……

由美からハンカチを受け取り、
涙を拭く。
何で涙が出てるのか
分からない。

でも…
卓也がいたような気がする。
あたし中にはもう
卓也は居ないはずなのに……
夢に出て来るなんて。しかも、
あんな辛い過去…


あ、やばい
又涙………っ

「ぅぐっ!!!」



由美が目をめがけて
ハンカチを当ててきた。

「ちょっ!何す…」



「辛い夢でも見たの??何かあるなら言ってね??★」


由美がいつもの
きらめきスマイルで
あたしの顔を覗きこむ。。。。

「ありがと…。」



「ぅん!!んぢゃあ
いつもの店行って、
帰るかあーっ」


伸びるように背を
ぐぅっと伸ばす由美。
思わず真似しちゃった……。


「そぉーだね★
よし!行こうっ」


立ち上がったあたしのポケットからは、
こぼれるように
ブレスレットが落ちた。