「あ、そろそろ着くよ。」
「うん」
「翔也、今日は何してたかな?」
翔也というのは私の弟、保育園の年長さん。
私の家は共働きでお父さんは11時頃、お母さんは8時頃帰ってくるので翔也のお迎えは私の担当。
付き合い始めた頃は私だけだったのに、放課後一緒に帰れない理由が翔也の迎えだと知ってからは、なぜか悠生も一緒に迎えに行くようになった。
「お世話様でした~」
「あ、翔也くんのお姉ちゃん。ちょっと待ってて下さいね~」
先生が翔也を呼びに行ってくれる。
「お姉ちゃん!!」
1分と経たないうちに翔也が走ってやってきた。飛びついてくる翔也をいつものように抱きとめる。
「おまたせ翔ちゃん、帰ろっか」
「うん!」
翔也の荷物を持って、手を繋いで保育園を出る。