「好きだよ」
「うるさいバカ」

いつもの会話いつものやりとり。

「かわいい」
「黙ってアホ」

こんな可愛くない返事をするのは
私、山本瑠香。
どこにでもいる普通の、それはそれは普通の高校2年生。
そんな私にも申し訳ないことに彼氏なんてものもいたりする。
それが冒頭で好きだの可愛いだの言ってらっしゃったお方、須藤悠生。
明るくて優しくて気配りが出来て、まぁ言い出すとキリがないくらいよく出来た人間。
でもあたしは…
あぁ言うのやめたい。ウザい。萎える。病む。まぁでもお話しよう、私の性格。
あんな完璧な彼氏に対して私といえば、
短気で気分屋で強がり。おまけに自覚はないけど周りからは120%の確率でツンデレと言われる。
まぁなんて残念な性格…。
それでも世の中物好きな人間もいて、それなりに友達もいて彼氏もいる。
まったくもって申し訳ない。
いやほんとね、なんで私って感じだよね。
あ、待ってね。そろそろあいつが騒ぎ出すから。
「ねぇ瑠香~、聞いてる~!?」
「はいはい聞いてるよ」
「ほんと?」
「聞いてるってば」
完璧な彼氏だけど時々ちょっとだけ子どもっぽくて、そこがまた可愛い。