「ああ、終わったな……もう普通にしていいぞ」

隊長が地面を這いながら、苦しそうに笑う。あれだけ集中して攻撃を受けて、よく生きていられる。
腕や足は赤くなっているが、すぐに死ぬような傷はなかった。

手足はもう使い物にならないだろう。しかし、すぐに治療すれば命だけは助かるかもしれない。

作戦は終わった。だからもう一般人のふりをしなくていい。

「隊長……」

隠し持っていた銃を服から出した。


「あなたはもう戦えません。だから、皆のために死んでください」

隊長の顔がこわばる。仕方がない。どのみちこうなるんだ。

表情はできるだけ変えないようにした。変な未練が残らないように。