チカが分からない。



小さい頃からずっと一緒で、弟のように可愛がっていた存在なのに。




それなのにどうして、こんなにもチカが分からなくなってしまったんだろうか。






…明日からどうしよう。



いつも通り奥原家に行ったところで、冷たくされるのは目に見えてる。



けど、この日課をやめてしまえばもう2度とチカと元に戻れない気さえした。




…それだけは嫌だ。絶対に。





「……よしっ」



気合いを入れて、私は明日からの事を頭に思い浮かべた。






***




翌朝。



「チカー!おっはよー!」


私は、いつも通りチカの部屋を訪れた。




笑って、元気に。


あくまでも今まで通りに。